極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
彼女が驚いたように目をぱちりと瞬く。お嫁さんになりたい――そう言っていたのは彼女が子どもの頃で、その記憶はもう残っていないだろう。
だがその夢自体は心の中にあったのか、彼女が嬉しそうに頬を緩める。
「チャペルで式を挙げよう。海が見えるチャペルがあって、すごく綺麗なんだ。君をそこに連れていってあげたい。家族に祝福してもらって夫婦になろう。それから、新婚旅行をして――」
星奈の頬に赤みが差す。ええ、そうしましょう、すごく楽しみ、そう言ってくれているようなあどけない笑み。
ふんわりと微笑んで――そのまま力尽きるかのように目を閉じる。
「星奈……!」
星奈の体に繋がっている機器が音を立てる。伯父や隣室にいた医師、看護師たちが慌てて駆けつけてきて、病室の空気が一瞬にして張りつめる。
「翔琉。外にいなさい」
冷静なようでわずかに震えている伯父の声を耳にして、一歩、二歩とあとずさる。
今ほど自分を無力に感じたことはない。結局、俺では彼女を救えないのか……?
「星奈、生きて! 待っているから。俺はここにいるから――」
いつか彼女は俺の前から消えてしまうかもしれない。充分覚悟はしていた。
だがどうかあと少しだけ猶予がほしい。彼女の夢を叶えてあげられるだけの時間が。
もう一度、あの笑顔が見たい。
祈るように唇をかみしめて、病室の外のガラス窓からじっと彼女を見守り続けた。
だがその夢自体は心の中にあったのか、彼女が嬉しそうに頬を緩める。
「チャペルで式を挙げよう。海が見えるチャペルがあって、すごく綺麗なんだ。君をそこに連れていってあげたい。家族に祝福してもらって夫婦になろう。それから、新婚旅行をして――」
星奈の頬に赤みが差す。ええ、そうしましょう、すごく楽しみ、そう言ってくれているようなあどけない笑み。
ふんわりと微笑んで――そのまま力尽きるかのように目を閉じる。
「星奈……!」
星奈の体に繋がっている機器が音を立てる。伯父や隣室にいた医師、看護師たちが慌てて駆けつけてきて、病室の空気が一瞬にして張りつめる。
「翔琉。外にいなさい」
冷静なようでわずかに震えている伯父の声を耳にして、一歩、二歩とあとずさる。
今ほど自分を無力に感じたことはない。結局、俺では彼女を救えないのか……?
「星奈、生きて! 待っているから。俺はここにいるから――」
いつか彼女は俺の前から消えてしまうかもしれない。充分覚悟はしていた。
だがどうかあと少しだけ猶予がほしい。彼女の夢を叶えてあげられるだけの時間が。
もう一度、あの笑顔が見たい。
祈るように唇をかみしめて、病室の外のガラス窓からじっと彼女を見守り続けた。