極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

「確かにお母さんだって昔は若くて未熟だった。あなたくらいの歳で出産して、娘は何年生きられるかわからないような体をしてて、どうしてこうなっちゃったんだろうって頭を抱えたときもあったわよ」

母がこれまで抱えてきた思いが、堰を切るように溢れてくる。

初めて本音を聞かせてくれたのは、出産した年齢に私が追いついたせいかもしれない。今なら、母の言う不安が少しだけ理解できる気がした。

「なにがいけないんだろうってたくさん考えたし、名前が悪いのかしらって姓名判断をお願いしてみたり、改名しようとか、幸運の壺を買ってみようとか、いろいろしたんだけど、その度にお父さんに止められて」

……お父さんがいてくれてよかった。変な名前に改名されていたかもしれないし、家が怪しい壺で溢れ返っていたかもしれない。

「でもね、『今日であなたが死ぬかもしれない』って日を何度も乗り越えて、わかったの。看病くらいどうってことない。大変なのは、あなた自身だもの」

私の手をきゅっと両手で包み込み、力強く言う。