極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「お母さんはあなたと月乃が生きていてくれれば幸せなんだから。このくらい、いいの。看病できるのは幸せな証拠なの」

頬に涙の筋を描きながら、母が笑う。その笑顔に、迷惑をかけても許されるのだと教えられた。

「お母さんがいてくれたから生きられた。ありがとう」

「うん。でも、それは子どもの頃の話でしょ?」

母は呆れたように息を吐いて、窓辺に視線を向ける。

「これから先、あなたは愛した人のために生きていくのよ」

ゆっくりと首を横に向け母の視線を辿ると、極彩色が並んでいた。

「わぁ……」

色とりどりの花を使ったフラワーアレンジメントが窓辺の棚に三つ並んでいる。

久しぶりに目にした鮮やかな花は、とても美しく逞しく生命力に満ちていて、私の心を明るく照らしてくれた。

「翔琉さんが来るたびに飾ってくれるのよ。彼、マメよね」

「ってことは、少なくとも三日は眠ってた?」

「ううん、もっとよ。集中治療室を出るまで二日かかったから」

母はベッド脇に腰かけ、バッグの中から携帯端末を取り出す。

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