極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
それを聞いていた母がベッド脇でくすくす笑った。
「惚気合戦が始まっちゃったみたいだから、お母さんは退散するわ。帰ってお父さんに、星奈の意識が戻ったって報告してくる」
そう言って立ち上がると、笑顔で病室を出ていく。
「気を遣わせちゃったかな」
翔琉さんはちょっぴり申し訳なさそうな顔で母のうしろ姿を見送ったあと、抱えていた紙袋からフラワーアレンジメントを取り出した。
夏らしい黄色とオレンジの花がたくさん咲いている。
「綺麗だろ?」
「はい。すごく綺麗」
「星奈は花が好きだよな。子どもの頃は植物の図鑑をずっと眺めていたし」
そんなこと教えたかしら?と私は首を捻る。
彼はアレンジメントを窓台の端に置くと、ベッド脇の折り畳みチェアに腰かけた。
近くでよく見ると、頬が少しだけこけたような。もしかして、痩せた?
「翔琉さん。ご飯、ちゃんと食べてます?」
「君に心配されるなんて心外だな。しっかり食べてるよ」
そう苦笑して、でもわずかに目を逸らし寂しげにぽつりと呟いた。
「ただ、ひとりの食事は味気ないな。早く星奈に帰ってきてほしい」
「惚気合戦が始まっちゃったみたいだから、お母さんは退散するわ。帰ってお父さんに、星奈の意識が戻ったって報告してくる」
そう言って立ち上がると、笑顔で病室を出ていく。
「気を遣わせちゃったかな」
翔琉さんはちょっぴり申し訳なさそうな顔で母のうしろ姿を見送ったあと、抱えていた紙袋からフラワーアレンジメントを取り出した。
夏らしい黄色とオレンジの花がたくさん咲いている。
「綺麗だろ?」
「はい。すごく綺麗」
「星奈は花が好きだよな。子どもの頃は植物の図鑑をずっと眺めていたし」
そんなこと教えたかしら?と私は首を捻る。
彼はアレンジメントを窓台の端に置くと、ベッド脇の折り畳みチェアに腰かけた。
近くでよく見ると、頬が少しだけこけたような。もしかして、痩せた?
「翔琉さん。ご飯、ちゃんと食べてます?」
「君に心配されるなんて心外だな。しっかり食べてるよ」
そう苦笑して、でもわずかに目を逸らし寂しげにぽつりと呟いた。
「ただ、ひとりの食事は味気ないな。早く星奈に帰ってきてほしい」