極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
ドクンと鼓動が大きく音を立て、体中が熱くなる。

同時にベッド脇の心電図モニターがピピッとけたたましい音を鳴らした。私の胸の高鳴りをバラさないで。

「大丈夫? 心拍数、上がってきたけど」

「見ないでください!」

彼がこほんとひとつ咳払いして仕切り直す。

今度こそ蕩けるような眼差しと甘やかな声で、そのリングを私に差し出した。

「愛しているよ、星奈。俺と結婚してほしい」

夢じゃない。現実だ。

私の左手は点滴と包帯だらけで、とても指輪がはめられるような状態じゃなかったけれど、代わりに薬指の先に誓いのキスをくれた。

「俺の人生、すべて星奈に捧げる。だから君も、どうか俺のために生きて」

眩暈がするような言葉をかけられ、じんわりと視界が滲んだ。

私が許しを乞う以前に、彼はともに歩む未来を選んでいてくれた。

「私、ね。翔琉さんと一緒なら、もっと生きられる気がしたんです」

彼への情熱が私を死の淵から呼び戻した。彼ともっと一緒にいたい、その気持ちがこの体を確かに生かしたのだ。

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