極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
きゅっと彼の腕に抱きつき甘える。顔を近づけると私の求めに気づき、首を傾けてくれた。

「きっと許してくれる」

そう楽観的に予測して、心が求めるまま彼の唇に飛びつく。

誓いのキスにはまだ早いけれど、私たちの愛は限りなく永遠だ。



入院加療を初めて、早くも半年が経った。あれから病状は一進一退を繰り返し、退院には至っていない。

季節は廻り、夏、秋、そして冬へ。

十二月になると、院内にある吹き抜けのレクリエーション室にはクリスマスの装飾が施された。大きなツリーが置かれ、夕方はライトも灯っていてとても綺麗。

そのツリーを背景に、私たちはささやかな式を挙げさせてもらうことになった。

壁には折り紙で作った花輪やペーパーフラワーが飾られている。先生方の呼びかけで、長期入院している子どもたちが作ってくれたそうだ。

協力してくれた子どもたちは、看護師さんと一緒に参列席に座っている。

「ねえ、なにするの?」

「だから結婚式だってば!」

「あの花、私が作ったの。かわいいでしょ?」

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