極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
部屋の奥にはツリーを背にして簡易の祭壇が置かれている。
立っているのは本物の牧師さん。伏見教授が近くの教会に依頼して呼んでくれたそうだ。
その手前には白いタキシードを着た翔琉さん。ベール越しでぼんやりとしているが、立ち姿からでも気品と凛々しさが伝わってくる。
「ねえねえ、王子様も格好いいよね」
「王子様じゃなくて、シンロウだよ」
「私もああいう人と結婚したいー」
どうやらウエディングドレスだけでなく、翔琉さん自身も女の子の目を釘付けにしているらしい。
翔琉さんがにこりと笑みを送ると、彼女たちがふわーっとした表情になるのが見えた。子どもたちまで虜にするなんて、私の夫は罪な男だ。
「ねえ。病気が治ったら、私もいつか結婚式ができるかな?」
声がした方に目を向けると、頭にニット帽を被った女の子がじっとこちらを見つめていた。
私は微笑みながら大きく頷く。
――もちろん、できるよ。みんなの未来は明るいんだ。
教授や先生方、看護師さんがこの結婚式に賛成してくれたのは、病と闘っているみんなにそう思ってもらいたかったからだと思う。
立っているのは本物の牧師さん。伏見教授が近くの教会に依頼して呼んでくれたそうだ。
その手前には白いタキシードを着た翔琉さん。ベール越しでぼんやりとしているが、立ち姿からでも気品と凛々しさが伝わってくる。
「ねえねえ、王子様も格好いいよね」
「王子様じゃなくて、シンロウだよ」
「私もああいう人と結婚したいー」
どうやらウエディングドレスだけでなく、翔琉さん自身も女の子の目を釘付けにしているらしい。
翔琉さんがにこりと笑みを送ると、彼女たちがふわーっとした表情になるのが見えた。子どもたちまで虜にするなんて、私の夫は罪な男だ。
「ねえ。病気が治ったら、私もいつか結婚式ができるかな?」
声がした方に目を向けると、頭にニット帽を被った女の子がじっとこちらを見つめていた。
私は微笑みながら大きく頷く。
――もちろん、できるよ。みんなの未来は明るいんだ。
教授や先生方、看護師さんがこの結婚式に賛成してくれたのは、病と闘っているみんなにそう思ってもらいたかったからだと思う。