極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
翔琉さんが私のベールを上げてくれる。

視界が鮮明になって、いっそう麗しい彼の姿が目に飛び込んでくる。

「星奈。健やかだろうが、病んでいようが関係ない。この愛は永遠に冷めやしない」

彼がそう囁いて、顔をゆっくりと傾ける。

「命ある限り、翔琉さんのそばにいると誓います」

ふたりの唇が重なった瞬間、周囲から拍手と歓声が上がった。私たちが夫婦になったことを牧師が宣言する。

「夢がまたひとつ叶いました。今、すごく幸せです」

「俺も。君の夢を叶えるっていう夢がひとつ叶った」

すると突然、翔琉さんが腰をかがめて私を抱き上げた。

「か、翔琉さん!?」

「祝ってもらおう。みんなに」

私を横抱きにしたままバージンロードを歩き出す。子どもたちが参列席から色とりどりの紙吹雪を撒いてくれる。

「おめでとう」という激励と、激しい拍手が鳴りやまない。

世界は窓の外だけで回っているのだと思っていた。

病室にいる私は、外界を眺めるだけの亡霊にすぎないのだと。

でも今、私は世界の真ん中にいる。

私が病室に辿り着くまで、ずっと拍手は鳴りやまなかった。


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