極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
第十二章 『愛してる』が体中から溢れ出して止まらない
あれから二年半が経過した。
日曜日の夜。じゅうじゅうとお肉の焼ける音が響き、フライパンの持ち手から振動が伝わってくる。
今日の夕飯はハンバーグだ。久しぶりの調理にちょっぴり緊張する。
「星奈、大丈夫?」
よっぽど心配だったのか、翔琉さんがキッチンにやってきた。
「大丈夫よ。ハンバーグ作るの、初めてってわけじゃないんだし」
とはいえ前回作ったのは三年前だから、少々心許ないけれど。
「ハンバーグの心配をしているんじゃないよ。星奈の心配をしてるんだ」
背後からぎゅっと抱きすくめられ、さっそく頬にキスされる。
十分も放っておいてくれないのだから、彼の甘やかしっぷりはかなりのものだ。
「大丈夫よ。先日の検査結果だって、未だかつてないくらい絶好調だったんだから」
就職していた頃より調子がいいくらい。伏見教授のお墨付きだ。
退院して一年、ちょっとずつリハビリを続けていたが、とうとう以前の生活に戻してもいいと許可がでたのだ。
外出も解禁。もちろん、急に無理をするなとは言われているし、翔琉さんの同伴が必須なのだけれど。