極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「伏見教授はすごいね。あれからすぐ研究成果を上げて、私の病気に効く薬を作ってくれたんだもの」

私が院内で結婚式を挙げて間もなく、伏見教授は症状を緩和する成分を発見。薬に応用して、私の病状は著しく改善した。

今はアメリカの研究チームに合流し、日米を行ったり来たりしながら、実用化に向けて臨床実験を繰り返しているのだそうだ。ほかの難病の薬にも活かせるかもしれないと期待されている。

「星奈のデータが役に立ったって言ってたな。具合が悪いときといいときで、大きく変化する分泌物が見つかったとか」

「病状が悪化したときは大変だったけど、あの苦しみは無駄じゃなかったのね」

もしかしたら私の体から取れたデータでたくさんの人が救われるかもしれない。

そう思えば、あの日々すら尊いと思える。

なにより、彼と一緒になれたんだもの。

一日、一日と経つごとに幸せが加速していく。こんなにハッピーで許されるのかってくらい毎日が充実している。

「この調子でいけば、来年くらいには復職できるかも。ねえ、社長室はまだ人員募集してる?」

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