極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
今、好きって言った? なんだかもやもやしてむかむかする。むむむむむ。

「……もしかして、嫉妬してる?」

彼が十中八九してるんだろうといった顔で、いたずらっぽく尋ねてきた。悔しいけれどその通りだ。

「ほかの誰がどう魅力的だろうが、目移りするわけない。俺は星奈に永遠の愛を誓ったんだが?」

いつの間にか膨らんでいた私の頬を、人さし指でぷにぷにとつつき空気を抜く。

「わかっているの。わかってるんだけど、私の知らないところでふたり仲良くしてるんだって思うと、なんだかもやもやして」

ハンバーグをひっくり返そうとフライパンを傾ける。が、ちょっぴりイライラしているせいか、フライ返しにうまく載らない。

「仲良くって。どんな想像してるんだか」

彼がくすくす笑いながら、私の手からフライ返しを受け取る。代わりにハンバーグをくるりとひっくり返してくれた。いい焼き加減だ。

「星奈が嫉妬するなんて初めてだね」

本当は初めてじゃない。月乃にだって嫉妬してた。って、口には出せないけれど。

「幻滅した?」

「いや。かわいさが増しただけだ」

満足そうに彼が言う。嫉妬させるためにわざと煽っている気さえしてきた。

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