極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
エピローグ 君の願いは俺が全部叶えてあげる
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽
不思議な夢を見ることがある。
幼い彼が私の手を引いて歩いている夢。
病院の中庭でシロツメクサを摘んだり、屋上に忍び込んでふたりで星を眺めたり。
その夢はだいたい悲しい終わり方をする。
泣いている私を置いて、彼がどこかへ消えてしまうのだ。
――置いていかないで――
そうやって泣いているうちに目が覚める。
真夜中、私の頬は涙で濡れていて、隣には安らかに眠る彼がいる。
ああ、夢だったんだ。そう安堵して彼の腕にしがみつく。
大丈夫。彼はいなくならない。ずっと私の隣にいてくれる。
そんな夜を何度か繰り返すうちに、甘酸っぱくてもの悲しい夢は見なくなっていった。
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽
『あなた、いったいいつ戻ってくるのよ』
パソコンを使ったリモート会議。桃野さんの美しくも威圧感のある顔が全画面表示され、私は思わずピン留めを外し、画面を小さくしてしまった。
それでも苛立った声はスピーカーからびしびしと響いてくる。
不思議な夢を見ることがある。
幼い彼が私の手を引いて歩いている夢。
病院の中庭でシロツメクサを摘んだり、屋上に忍び込んでふたりで星を眺めたり。
その夢はだいたい悲しい終わり方をする。
泣いている私を置いて、彼がどこかへ消えてしまうのだ。
――置いていかないで――
そうやって泣いているうちに目が覚める。
真夜中、私の頬は涙で濡れていて、隣には安らかに眠る彼がいる。
ああ、夢だったんだ。そう安堵して彼の腕にしがみつく。
大丈夫。彼はいなくならない。ずっと私の隣にいてくれる。
そんな夜を何度か繰り返すうちに、甘酸っぱくてもの悲しい夢は見なくなっていった。
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽
『あなた、いったいいつ戻ってくるのよ』
パソコンを使ったリモート会議。桃野さんの美しくも威圧感のある顔が全画面表示され、私は思わずピン留めを外し、画面を小さくしてしまった。
それでも苛立った声はスピーカーからびしびしと響いてくる。