極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
『言ったわよね、私。「絶対追い越してやる」って。仕事も、女としても、あなたより上だって証明するって。それがいざ同じ土俵に立ったかと思えば、あなたは祇堂さんとさっさと結婚して休職してるし。こんなの勝ち逃げじゃない! 正々堂々、勝負しなさいよ!』

どんどんヒートアップしてきた。そんなことを言われても、と私はまごつく。

体調が回復し、約三年ぶりに仕事復帰する。といっても書類作業がメインで、在宅勤務の予定だ。

挨拶と今後の作業の説明を兼ねてリモート会議に出席したのだが、桃野さんがいきなりこの調子で困っている。

「現場でご活躍されている桃野さんの方が、社長室のみなさんのお役に立っていると思いますが……」

『そんなの納得できるわけないでしょう!? あなたが戻ってこないと、いつまでも私の気が晴れないのよ!』

完全復帰した私をぎゃふんと言わせないと気が済まないらしい。

どっちが上とか下とか、決める必要はないと思うのだけれど。社長室のみんなの役に立てるならそれで充分だ。

でも桃野さんが私をライバル視してくれるというのなら光栄だ。これまでライバルなんていなかったから。

いつか現場に復帰して、彼女と一緒に仕事がしてみたいと思った。

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