極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「し、してません! まったく! 全然! 私が人見知りなだけで」

「美守さんはあまり人見知りには見えないけどな」

実際、私は初対面の相手でも比較的物怖じしないタイプだ。

「もし不満があるなら、この機に言ってくれないかな。改善するよ」

祇堂さんが誠実な目でじっと覗き込んでくる。

なんだかうしろめたい気持ちが湧き上がってきて、言いようのない不安感に襲われた。

私はこの身を蝕む病を会社に秘密にしている。

年に一度の健康診断では、持病はありませんと嘘の問診票を提出した。

血液検査の数値がちょっぴり不安定なときもあるけれど、一過性ですと言い張り、のらりくらりとかわしてきた。

いつ倒れるかわからない不安定な体、そんなことが知られては、責任ある仕事を任せてもらえないと思ったから。

やる気と熱意はあるけれど、隠し事をしているやましさは消えない。

……祇堂さんの真っ直ぐな目に見つめられると、秘密が暴かれてしまいそうで怖くなる。

「いえ。不満はまったくありません」

「どこ見て言ってるの?」

つい目線を逸らしてしまった私に、祇堂さんがツッコミを入れる。

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