極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
第三章 だだ洩れる溺愛がコンプラに抵触します


「十時から経営会議、十一時に東寺銀行清水専務をお招きして就任のご挨拶、天満薬品の諏訪社長との会食を挟んで、午後は臨床研究センターの視察、夜は大株主の出雲様との会食が予定されております」

廊下を歩きながら脳内に刻み込んでおいたスケジュールを読み上げると、祇堂さんは少々疲れた顔で笑った。

「今日も盛りだくさんだな」

祇堂さんの右腕である第一秘書の武久さん、そしてスケジュール管理を中心に細々とした雑用をこなす第二秘書の私。三人で最上階の大会議場に向かう。

残りのメンバーは社長室に残り、調査や調整などそれぞれの職務をこなしている。

この体制になり三週間。就任して間もないこともあり、スケジュールは異常なまでに過密で、毎日が慌ただしく過ぎていく。

そんな中、すべてをそつなくこなしていく祇堂さんの敏腕ぶりには日々驚かされるばかりだ。

とはいえ、分刻みのスケジュールに加え、帰宅は日付が変わったあと。朝も早い。

さすがに疲れがたまってきたのか、ちょっぴり頬がこけたような。

「お体の調子は問題ありませんか? もし優れないなどありましたら、休息がとれるよう調整して――」

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