極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
彼があらたまって私の手を取り、両手で包むように握った。
「広報の仕事は、企業にとってすごく重要度が高い。一緒に頑張ろう」
誠実な眼差し、希望に満ちた瞳。
このマーガレット製薬の一員として認めてもらえたような気がして嬉しくなる。
「はい」と元気よく答え、手を握り返す。
手を離すと、彼は「それから――」と声をひそめて切り出した。
「君の力になりたいって思ってる。どうか俺を頼ってくれ」
わずかに顔を近づけて、神妙な面持ちで囁く。
彼は鮮やかに目配せしてデスクへと戻っていった。ぽうっと見蕩れるように彼のうしろ姿を見つめる。
誠実そうだけれど、どことなく底知れない人だ。
思えば、まだ配属されて一日。なぜ私の名前や評判まで知っていたのだろう。
……いや、考えすぎだ。きっと仕事熱心な人なのだろう。なにしろ、いずれはこの会社を背負う人だもの。
気持ちを切り替えてデスクに向かう。
大丈夫。私の秘密は、彼はもちろん、まだ誰にもバレていない。
「広報の仕事は、企業にとってすごく重要度が高い。一緒に頑張ろう」
誠実な眼差し、希望に満ちた瞳。
このマーガレット製薬の一員として認めてもらえたような気がして嬉しくなる。
「はい」と元気よく答え、手を握り返す。
手を離すと、彼は「それから――」と声をひそめて切り出した。
「君の力になりたいって思ってる。どうか俺を頼ってくれ」
わずかに顔を近づけて、神妙な面持ちで囁く。
彼は鮮やかに目配せしてデスクへと戻っていった。ぽうっと見蕩れるように彼のうしろ姿を見つめる。
誠実そうだけれど、どことなく底知れない人だ。
思えば、まだ配属されて一日。なぜ私の名前や評判まで知っていたのだろう。
……いや、考えすぎだ。きっと仕事熱心な人なのだろう。なにしろ、いずれはこの会社を背負う人だもの。
気持ちを切り替えてデスクに向かう。
大丈夫。私の秘密は、彼はもちろん、まだ誰にもバレていない。