極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

パチパチと二度三度、目を瞬く。私の顔色をうかがおうとする彼が、なんだかかわいらしくて。

でも躊躇いのない真っ直ぐな眼差しは、男らしくて格好よくもあって。

いつもは気後れしてしまうその瞳も、今は魅力的に見えた。

「私は祇堂さんが社長だからとか上司だからとか、そういう理由で行動を変えたことはありません」

彼が対等な立場の人間だったとしても、きっと尊敬するし、力になりたいし、そばにいたいと思う。

祇堂さんが安堵したように柔らかく微笑む。

「ほうとう、食べに行く？　一泊二日、温泉付きで」

「ぜひ、ご一緒させてください」

いつもは苦手に感じるその真っ直ぐな眼差しを受け止められるようになったのは、この三週間、彼をそばで支え続けてきたことで、自分に自信がついたからかもしれない。

もちろんまだまだ秘書としては未熟だけれど、このまま頑張ればいつか彼を支えられる存在になれるかもしれない、そんな希望が見えた。

シンプルに彼との距離が縮まったのもあるだろう。

ノックとともに武久さんが戻ってくる。

「ご褒美タイムはおしまいです」