極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
第四章 全般的に初めてなのでどうぞよろしくお願いします
一泊二日、温泉とほうとう付き慰安旅行当日。

祇堂さんは車で自宅まで迎えに来てくれた。

彼の車はスマートで実用性重視。パールのようなさりげない輝きを放つホワイトのセダンだ。

「ふつつかものですが何卒よろしくお願いいたします」

ボストンバッグを手に大きく頭を下げる私を見て、祇堂さんは「美守さんはふつつか者じゃないよ」と笑って荷物を預かってくれた。

彼はグレージュのさらりとした素材のテーラードジャケットにホワイトのインナーを合わせていて、ボトムにはブラックのスラックスを履いている。

会社で見るフォーマルな彼も格好いいけれど、ラフな彼も素敵だ。

無造作なミディアムヘアがあどけなくて、社長という肩書きを忘れてしまいそうになる。

こんなにドキドキしてしまうのはなぜだろう。私服に驚いたから?

しかし、驚いているのは私だけではなかったようで――。

「美守さんって、こうしているとお嬢様って感じだね。普段はパンツスーツだから凛々しい印象があるけれど、今日はふわふわしていてかわいい」

私のロング丈ワンピースを見つめて言う。

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