極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
「最高です……」

「感動するにはまだ早いよ、到着してもないのに」

「私は滅多に東京を離れませんから、これだけで新鮮です。祇堂さんは先日来たばかりですもんね?」

すると、白桃ソフトよりも糖度の高い笑みが降ってきた。

「俺も今日は格別。美守さんが隣で笑っててくれるから」 

心臓がむぎゅっと鷲掴みにされたような息苦しさを覚える。

一応主治医からは「過度な運動や、急激に血圧が上がるようなことはしないように」と言われている。

もしかして、非日常に興奮して血圧が……?

「美守さん? 急に俯いてどうしたの?」

「……ごめんなさい、ちょっと白桃ソフトに感動しすぎて」

「え、大丈夫?」

うつむいた私の背中を祇堂さんがさする。こんなときまで優しすぎて、なんだか余計に息苦しくなってきた。

「ありがとうございます。大丈夫です」

「車に戻れそう?」

彼がすかさず右手を差し出す。ぽかんとして見上げると、彼は困ったように苦笑して私の左手を取った。

「こういうときは、こう」

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