極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
思わず漏れそうになった言葉をごくんと呑み込み、軌道修正する。

「す、素敵だと思っています。社長としても、ひとりの男性としても」

悩ましいワードを回避して伝えると。

突然、頬を両側から挟み込まれた。驚きで目がぱちくりする。

「客観的な評価じゃなくて、俺をどう思っているかを知りたいんだけど」

「どうって……」

額がぶつかりそうなほど顔を近づけて、呆れたような半眼で私をじっと見つめる。

なぜこんなに近いの? どうして怒っているの? 

わけもわからずおろおろしていると、やがて彼が口を開いた。

「『セクハラはナシ』でよかったんだよね?」

「は、はい……」

「なら、遠慮なく言わせてもらう。好きだ」

「は?」

耳を疑うような台詞に頭の中が真っ白になる。

「ひたむきな君が好きだ。努力家で、一生懸命で、充分優秀なのに自分を過信しない慎ましやかなところも」

「え、ええと……」

「いつも笑顔で愚痴ひとつ漏らさない強さも。ころころ変わるかわいらしい表情も――」

「ま、待ってください、待って」

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