極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
慌てて手を前に突き出して制止する。突然鬼のように褒められて理解が追いつかない。

「わ、私はそんな、祇堂さんに褒めてもらえるような立派な人間じゃ――」

「褒めたいんじゃない」

優しかった表情が一転して真摯なものになった。

普段ならたじろいで逃げ出してしまうような鋭い眼差しだが、今は逃げるどころか、縫いつけられたように身も心も動かない。

「俺の目から見た君を、正直に伝えているだけだ」

じんわりと心が痺れる。甘くて、蕩けそうで、なのにひりついて息苦しい。

「応えられないならそれでいい。ただ、君を大切に思っている男がいるって覚えておいて」

「祇堂さん……」

見つめ合う瞳から、彼の気持ちが伝わってくる。

これまで、どうしてこんなにも優しくしてくれたのか、気にかけてくれたのか、その理由に気づきハッとする。

私のことを好きになってくれたから……?

いつも真っ直ぐなあの瞳は、私を追い詰めようとしていたわけではなくて。

私と真剣に向き合おうとしてくれていたんだ。

「祇堂さん、私――」

口を開いた瞬間、彼の人差し指が唇にぴたりと当たった。

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