極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
彼のあとを追っていくと、少し離れたところにある少人数用の会議スペースに入るよう促された。
「美守さん、大丈夫だった?」
会議室のドアを閉めながら祇堂さんが尋ねてくる。
私は「ありがとうございます」と頭を下げようとしたが、ここでお礼を言っては桃野さんに絡まれていたと認めるようなものだ。
一応彼女を立てておこうと「ええと、なんのことでしょう?」とわからない振りをした。
「桃野さんになにか酷いことを言われていたんじゃないのか?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
「桃野さんの怒鳴り声が聞こえた気がしたが……」
どうやら声は廊下まで届いていたらしい。祇堂さんは困っていた私を助けに来てくれたみたいだ。
「いえ。あれは愛ある叱責です」
「いや、そんなわけないだろ」
突っ込みどころが多すぎたらしく、彼は頭を抱える。
祇堂さんは次期社長の肩書きにおごることない謙虚な人だ。優しくて面倒見がよく、いつも私を気にかけてくれる。
同じ部署になってまだ一年と経っていないが、何度声をかけられ助けてもらったかわからない。
「美守さん、大丈夫だった?」
会議室のドアを閉めながら祇堂さんが尋ねてくる。
私は「ありがとうございます」と頭を下げようとしたが、ここでお礼を言っては桃野さんに絡まれていたと認めるようなものだ。
一応彼女を立てておこうと「ええと、なんのことでしょう?」とわからない振りをした。
「桃野さんになにか酷いことを言われていたんじゃないのか?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
「桃野さんの怒鳴り声が聞こえた気がしたが……」
どうやら声は廊下まで届いていたらしい。祇堂さんは困っていた私を助けに来てくれたみたいだ。
「いえ。あれは愛ある叱責です」
「いや、そんなわけないだろ」
突っ込みどころが多すぎたらしく、彼は頭を抱える。
祇堂さんは次期社長の肩書きにおごることない謙虚な人だ。優しくて面倒見がよく、いつも私を気にかけてくれる。
同じ部署になってまだ一年と経っていないが、何度声をかけられ助けてもらったかわからない。