極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚～余命０年の君を、生涯愛し抜く～

マーガレット製薬の新薬を待つ患者は、彼女のほかにも山ほどいる。彼らを後回しにして開発を速めたところで、彼女に叱られるのがオチだろう。

今は反社長派もまだ根強い。親族の中には俺の就任に反対するものもいる。

足をすくわれるわけにはいかない。

眠る彼女に布団をかけ、安らかな寝顔を覗き込む。

「無理に抱いたりしないから、せめて寝顔を見ていていい？」

彼女の隣に肘を立てて寝転がり、儚げな横顔を見つめる。

透き通ってしまいそうなほど白い肌。長い睫毛。ふんわりとした桃色の唇。その唇に触れるだけのキスを落とす。

「おやすみ」

そう声をかけ間接照明のスイッチを入れると、ダウンライトを落として部屋を出た。