極上御曹司と最愛花嫁の幸せな結婚~余命0年の君を、生涯愛し抜く~
第六章 甘すぎる日々の先にある逃れられない現実
目が覚めたら朝で驚いた。自分でベッドに入った覚えがないから、きっとまた彼に運ばせてしまったのだろう。
「すみません。私、また寝てしまって」
朝七時、慌てて浴衣の帯を締め直しサロンに行くと、彼はチェアに座ってのんびり緑茶を飲みながら携帯端末を操作していた。
彼も浴衣姿でつい見蕩れてしまう。乱れ気味のラフな着こなしが艶っぽくて格好いい。
「おはよう。疲れは取れた?」
「はい、おかげさまで」
こくこく頷くと「よかった」と安心したように微笑んでくれた。
「運んでくださったんですよね? お手数おかけしました」
ぺこりと頭を下げる私に、彼は湯呑をテーブルに置いてこちらに歩いてくる。
「あれくらい、なんてことないよ」
そう言って私の肩に手を添えて、近くのチェアに座らせる。
「でも、重かったでしょうし」
すると、突然彼が屈んで私の体を抱き上げた。
「きゃあっ」
お姫様抱っこをしたまま、至近距離でにっこりと微笑む。その笑顔が麗しすぎて、くらりと眩暈がした。
「これくらい余裕。全然重くないよ」
「う、嘘です! さすがに重たいはず――」