絶交ゲーム
そこからふたりの関係を壊すことができるかもしれない。
そういう計画だった。
だけど弥生と結、どちらを呼び出せば最も効果的なのかがわからない。


「そういえば、谷岡くんはスポーツとかしてたの?」


詩子の質問に私は首を傾げた。
2年生のころ同じクラスになったけれど、運動部には入っていなかったはずだ。
谷岡くんがスポーツが得意だと聞いたこともない。


「ううん。たぶんなにもしてないんじゃないかな?」


詳しくは知らないけれど、おそらくは。
そう付け加えた。


「ってことは、スポーツが得意な結とは性格が合わないかもね?」


その言葉に私は結へ視線を向けた小柄だけどすばしっこくて運動神経のいい結と、優しくて明るい谷岡くん。
ふたりが並んでいる姿を想像してみるけれど、たしかにしっくりこないかもしれない。

結が元気すぎて、谷岡くんがひっぱり回されている光景ならすぐに浮かんでくる。


「弥生はピアノをしてるんだっけ? そっちの方が谷岡くんには似合うかもね?」
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