絶交ゲーム

「俺？　まぁ……そうだなぁ」


谷岡くんは赤い頬で笑みを浮かべて頭をかいている。
お互いに手紙など出していないけれど、今はその疑問を口に出すつもりはないみたいだ。

ふたりにとっても、これはチャンスなのかもしれない。


「ジッと見てないで、ちゃんと写真取らないと」


隣の詩子から言われて我に返った。
つい少女漫画的展開のふたりに見入ってしまったけれど、ぼーっとしている暇はないんだった。

私はすぐにポケットからスマホを取り出して、ドアの隙間からふたりの様子を撮影し始めた。
ここからだと、ふたりの距離はとても近いように見える。

しかも互いに頬を赤らめているから、写真１枚だけでその関係が男女として良好であることがわかった。


「じゃあさ、今度一緒に遊びに行かない？」


谷岡くんからの誘いに弥生は嬉しそうに頬を緩める。


「いいよ、どこに行く？」

「ふたりで楽しめる場所がいいんだど」