絶交ゲーム
☆☆☆

そう、私達はまさに恋のキューピッドだった。
やっぱり弥生は結に遠慮をして谷岡くんに告白することができなかったんだろう。

今日のふたりの様子を見ていると、それは明白だった。
結さえいなければ、ふたりは中学時代から付き合っていたかもしれないんだから。

私は先程撮影した写真を近くのコンビニで印刷しながらそう考えた。


「弥生も谷岡くんも可愛そうだね、結のせいで今まで自分の気持を我慢してたんだから」


詩子が印刷されて次々と出てくる写真を見てため息を吐き出す。


「友情か、恋愛かって、私達にとって重大な問題だよね」

「それ、なにかの少女漫画で読んだの?」

「えへ、バレた?」


詩子がペロッと舌を出して見せる。
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