絶交ゲーム
「それはわからないけど、一気にポイントを稼がなくてもいいんじゃない? 少しずつ稼いでも結局同じことでしょう?」


私は黙り込んでしまった。
少しずつ稼いでも同じこと。

そうかもしれない。
だけど私にとっては劇的に違うことだった。

父親を見ていると毎日毎日仕事へ行って、たまに土曜日でも出勤して、それでやっと家族3人がひとつき食べて行けるくらいの金額をもらうんだ。

それが普通だし、家族3人が食べていければ十分かもしれない。
だけど、その道へ行けば『いい大学、いい会社』という言葉がどうしてもつきまとってくる。

結局私も父親と同じような道を行くしかないのかと、落胆した気持ちになるのだ。


「もっと、一気に稼いで、しばらくは楽をしたいんだよね」


この前の50万ポイントは大きかった。
おそらく、私の父親の月給だって上回っていたんじゃないかな。
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