絶交ゲーム
友理はそれだけ言うと、教室を出ていった。
ホッと胸をなでおろす。
写真を消せといわれたらどうしようかと思った。


「雛、大丈夫?」


少し離れた場所からこちらの様子を見ていた詩子が駆け寄ってくる。


「うん、大丈夫だよ。ごまかしておいたから」


友理の中で私はふたりの熱狂的なファンという立場になる。
隠し撮りも黙ってくれているようだし、ひとまず安心していいと思う。


「はやくアプリに投稿しておこう」


友理の気持ちが変わって写真を消せと言われる前に。
私は素早くスマホを操作して『絶交ゲーム』を立ち上げた。

高校1年生のころに入学祝いとして買ってもらったスマホはどんどん動きが鈍くなってきていて、アプリの立ち上げ時間だけでも異様な長さに感じられる。

つい焦ってしまい、スマホを握りしめる手に汗がにじむ。
今度のゲームに成功したらスマホを交換したほうがいいかもしれない。

そのときにゲームデータの引き継ぎができるかどうか確認もして……。
そんなことを考えている間にゲームが立ち上がってきた。
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