絶交ゲーム
できるだけ素早く、効率よく手に入れたい。
私は画面を見つめてゴクリと唾を飲みこんだ。

すでに脳裏には欲しい服や化粧品が浮かんできている。
100万円あれば、そのすべてが手に入る。

詩子もポイントに驚いて、目を見開いたまま固まってしまっている。


「これを逃すの?」


詩子に聞くと、詩子は一瞬怯えたような目をこちらへ向けた。
そして、すっとそらされた。

それでも否定しない。
できるわけがない。

私達には100万ポイントを手に入れる可能性があるんだから。
それをみすみす逃すことなんて、詩子にだってできるはずがない。


「私は悪者になってもいい。このゲームで成功したい」


私はそう、言い切ったのだった。
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