絶交ゲーム
☆☆☆

このアプリは友人関係を壊すだけで、誰かを殺すわけじゃない。
壊れた友人関係は自分たち次第で直すことができるはずだ。

それが修復されないのは、やっぱり本人たちの気持ちの問題なんだろう。
洋子が玲香を、弥生が結をイジメている。

当人たちにイジメているという自覚はないかもしれないけれど、やられている側のふたりからは笑みが消えた。
明るさも快活さも消えて、ただただ苦痛を耐える人形になる。

それでも学校に来ているのはやっぱり受験や就職が待ち受けているからだろう。
休むこと、逃げることすら困難な高校3年生の教室はまるで監獄だ。


「放課後はどうするの?」


そんな監獄の中で詩子が聞いてきた。
もちろん、今日から浩二と豊に接近するつもりでいた私は予定を口にする。


「とりあえずサッカー部を見に行ってみる」
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