絶交ゲーム
☆☆☆

放課後になるのを待って、私はロッカーからスマホを取り出した。
ハンカチにくるんでおいたのは、着信などでバイブ機能が動いたときにロッカーの中で大きな音を立てないためだ。

スマホを確認してみると案の定何通かメールが届いた。


「今日はどうするの?」


詩子が後ろから声をかけてきたので、私はザッとメールに目を通してスマホをポケットに入れた。
メールは全部広告ばかりだった。


「今日は久しぶりに遊んで帰ろうよ」

「え、でも……」


詩子が戸惑いの表情を浮かべる。
また私におごられるのかと、気にしているのが伝わってきた。


「もちろん、折半でだけど。どう?」


そう聞くと詩子の表情が明るくなった。


「もちろんいいよ! カラオケにしよ!」


詩子は最近見せていなかった元気な声でそう言ったのだった。
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