絶交ゲーム

☆☆☆

無理やり土下座させたのが悪かったんだろうか？
玲香は授業を受ける前に教室からいなくなってしまった。


「雛が土下座なんてさせるからだよ」


昼休憩中、詩子がため息まじりにそう呟いた。


「ごめんって。でもあれは玲香が悪いんだよ。人の机にぶつかってきたんだから」

「机にぶつかってくるくらい、どうってことないでしょ？」

「机が痛がってたから

」
私はそう答えて肩をすくめてみせた。
詩子は渋い顔をしているけれど、本気で怒っているわけではない。

怒っていれば、こうして机をくっつけて私と一緒にお弁当食べることはないんだから。
それにしても、浩二と豊のふたりは今日も爽やかな青春を送っている。

休憩時間はほとんどふたりで行動しているし、時折教室までやってくる女子生徒たちは丁寧にあしらっている。


「あのふたり、もしかして付き合ってるのかな」


ふと思いついたことをそのまま口に出した。
< 194 / 290 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop