絶交ゲーム
豊が怪訝そうな顔になったので、私は慌てて「そ、そうだったね」と、笑みを作った。
浩二は豊を受け入れている。
毎日お見舞いに来るから、サッカー部に顔を出せと怒ってまでいるらしい。

全然ダメだった。
浩二の足を切断するところまで追い込んでも、このふたりの関係は変わっていなかったんだ!!

私は知らずに奥歯を噛み締めていた。
ギリギリと歯ぎしりをしてしまう。


「わ、私もお見舞いに行っていいかな?」

「手術が終わってからにしてやってほしい」


そうだった。
さっきも同じようなことを言われたんだった。

落ち着け。
これから先どうすればゲームが進行するか考えないといけない。

他になにか手があるはずだ。
でも、考えれば考えるほどに頭の中は真っ白になっていく。
これ以上何をすれればいいのか、わからなくなっていく。
< 233 / 290 >

この作品をシェア

pagetop