絶交ゲーム
☆☆☆
今日は1人で浩二の病院へ寄って帰ろうかと思ったけれど、母親からすぐに帰ってくるように連絡が入っていたので、そのまま家に向かうことになった。
学校がある時間に母親から連絡があるなんて珍しい。
なにかあったんだろうかと焦る気持ちで家の玄関を開ける。
「ただいま」
声をかけるとリビングからすぐに母親が姿を見せた。
「なにかあったの?」
「先生から連絡があったわよ」
低い声に私はまたうんざりした気分になった。
あの学年主任が家にまで連絡を入れていたんだろう。
全く、迷惑な話だ。
「学校で友だちをイジメてたって本当なの?」
私は靴をぬぎながら左右に首を振る。
「そんなことしないよ」
「でも先生から連絡が来たのよ?」
「私は自分の友だちをイジメたりはしてない。友だちじゃないから、イジメたの」
ふんっと鼻で笑う。