絶交ゲーム
私にとって結はただのクラスメートで友だちではなかった。
だからそこには語弊が含まれていたのだ。
しかし母親の顔が真っ赤に染まる。


「なに言ってるの! このままじゃ内申点にも響くって、先生おっしゃってたわよ!?」


キンキンと頭に響く声で怒鳴られて思わず耳をふさぐ。


「わかったよ。もうイジメはしないし、反省文も書いてきたから」

「それで終わりなの? それでいいと思ってるの?」


うるさいなぁ!
苛立ちが募って怒鳴ってしまいそうなるが、グッと喉の奥に言葉を押し込める。

ここで親子喧嘩をしていたって疲れるだけだ。
それなら少しでも『絶交ゲーム』について考えていたい。


「お父さんが帰ってきたらちゃんと話すから」


私はそう言うと、呼び止める母親を無視して自室へと向かったのだった。
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