絶交ゲーム
☆☆☆

うまく行かないときはとことんうまくいかないものだと思う。
細書から、浩二と豊の関係を見くびっていたのが悪かったんだろう。

夕食時は重たい雰囲気が漂っていた。


「友だちをイジメるなんて情けない」


だから、友だちじゃないってば。
そう言い返したいのを我慢する。
父親はさっきからため息をつき続けていて、体の中の空気が全部抜けてしまうんじゃないかと心配になった。


「雛がそんなにバカな子だとは思わなかった。勉強だけに集中していればイジメなんて幼稚なことしなかったんだろうが……」

「ちょっと待ってよ。それじゃ私には勉強以外になにもするなってこと?」

「あぁ、その通りだ。雛に娯楽なんて必要なかったんだ。息抜きなんてさせるから、人間関係がこじれることになったんだ」


なに、それ……!
カッと体が熱くなる。

怒りで目の前が燃えているように見える。
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