絶交ゲーム
「もういい。私はもう雛にはついていけない。ううん、本当はずっと前からついていけなくなってた」

「なにそれ、どういう意味?」

「浩二くんから夢を奪って友だちも奪ったんだよ? 今浩二くんの心の拠り所は恋人である雛なんだろうけど……別に好きで付き合ってるんじゃないんだよね?」


その言葉に私は笑いだしてしまいそうになった。
なんで私が浩二と真剣交際をしなきゃいけないんだろう。
そんなの面白すぎる。


「当たり前じゃん。これはゲームなんだよ?」

「雛にとってはゲームでも、相手にとっては現実だよ。浩二くんは昨日でなにもかもを失ったってこと」

詩子はそう言い捨てると、私を置いて先に行ってしまったのだった。
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