絶交ゲーム
☆☆☆

「今日は小テストがある日だろう?」


翌朝の朝食の時間帯に父親からそう聞かれて一瞬言葉に詰まった。
勉強はちゃんとしているけれど、こうして朝から勉強の話を持ち出されるとどうしても胃がキリキリしてきてしまう。

相手が父親でなければ少しはマシなんだろうけれど。
私は盛大なため息を吐き出したいのをグッと押し殺して微笑んでみせた。


「うん。でも大丈夫だよ、自信あるから」


最近勉強がはかどっていることは事実だ。
あとはそれが発揮できればいい。
本番には強い方だった。


「そうか、それならいいんだ」


父親がいつもよりもあっさり引き下がったので少しだけ拍子抜けする。
毎日こうならいいのに。

内心そう思いながら朝ごはんを口に運んだのだった。
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