絶交ゲーム
☆☆☆
その日の夕飯時、私は両親に今日の小テストの結果を見せていた。
「あら、いい点数じゃない!」
母親が喜んだ声を上げて小さく拍手する。
「それほどでもないよ」
拍手までされると思っていなかった私は少し照れて頭をかく。
今日の夕飯は私の大好きなビーフシチューだ。
さっきからいい香りがして食欲をそそられている。
「まぁまぁだな」
父親が私の答案用紙をチラリと見てそれだけ言った。
もう興味を失ったように夕飯に箸を伸ばしている。
「ちょっと、もっと褒めてあげなさいよ。あなたが毎日のように勉強勉強って言うから雛は頑張ったのよ?」
父親の反応さすがに苛立ちを覚えたのか、母親の声が尖る。
「学生が勉強するのは当たり前のことだ」
「じゃあ、あたなが仕事に行くのは当たり前のことだから、これからは『お疲れ様』とか『いってらっしゃい』とか、言うのをやめるわね?」
そう言われた父親は喉の奥に言葉をつっかえている。
その後渋面を作ると「……よく頑張ってるな」と、ボソリと呟いたのだった。
その日の夕飯時、私は両親に今日の小テストの結果を見せていた。
「あら、いい点数じゃない!」
母親が喜んだ声を上げて小さく拍手する。
「それほどでもないよ」
拍手までされると思っていなかった私は少し照れて頭をかく。
今日の夕飯は私の大好きなビーフシチューだ。
さっきからいい香りがして食欲をそそられている。
「まぁまぁだな」
父親が私の答案用紙をチラリと見てそれだけ言った。
もう興味を失ったように夕飯に箸を伸ばしている。
「ちょっと、もっと褒めてあげなさいよ。あなたが毎日のように勉強勉強って言うから雛は頑張ったのよ?」
父親の反応さすがに苛立ちを覚えたのか、母親の声が尖る。
「学生が勉強するのは当たり前のことだ」
「じゃあ、あたなが仕事に行くのは当たり前のことだから、これからは『お疲れ様』とか『いってらっしゃい』とか、言うのをやめるわね?」
そう言われた父親は喉の奥に言葉をつっかえている。
その後渋面を作ると「……よく頑張ってるな」と、ボソリと呟いたのだった。