絶交ゲーム
呼び出し
もし、詩子が言ったように無理やり裏の顔をつくることができれば、それは相手の弱みになる。
そこから弥生と結の関係をこじらせることはできるかもしれない。

時間はかかりそうだけれど、慎重に行動しなければならないなら、どっちにしても同じことだった。
でも、どうやってそんなことができるんだろう?

私達の仕業だとバレないようにしなきゃいけないし、本当にそんなことができるんだろうか。
考えれば考えるほどわからなくなっていく。

自室の勉強机に座ってみたものの、勉強は手につかない。
気がつけば絶交させる方法ばかりを考えてしまって、参考書は真っ白なままだ。


「あぁ……ダメだ!」


頭の中でいろいろなことがグツグツと煮立ってきている。
このまま考えていてもきっといい結果にはならない。

私は参考書を閉じて大きく伸びをした。
少し気持ちは晴れるけれど、それだけじゃどうしようもないモヤモヤとした気持ちが蓄積している。

気晴らしにパズルゲームでもしようと、ベッドに仰向けになって寝転んだ。
パズルゲームを起動するのは数日ぶりで、やり始めるとやっぱり面白くて熱中してきてしまう。
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