オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
ガチャ。

「漣さん、おかえりなさい」

「九条さん。ただいまです」


「その……今日は私が料理を作ってみたんです。美味しいかどうかはわからないんですけど」

「九条さんの手料理ですか?それは楽しみですね。
とりあえずお風呂に入ってきます」


「行ってらっしゃい」

仕事で疲労してるはずなのに顔には全然出さない。


漣さんはもうすぐ40歳になるらしい。見た目も大学生くらいにしか見えなくて、年齢を初めて聞いた時はビックリした。

大学を卒業してからはずっと一人暮らしで、恋人は今まで出来たことがないらしい。それなのに私を助けてくれた?ますますワケがわからない。


もしかして私、女としての魅力がないんじゃ……?
漣さん的にはペットを拾う感覚?って、手を出されても困るのだけれど。

漣さんは一度も私を怒ったことがない。それが逆に怖かったりもする。普段大人しい人ほど怒らせると怖いって聞くから。
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