オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「九条さんの手料理おいしいですよ」

「それは安心しました。でも、ただのオムライスですよ?ちょっと子供ぽっいですよね」


「そんなところも含めて九条さんの愛情を感じます」

「あ、ありがとうございます」

付き合ってもいない私をこんな風に紳士に口説く漣さんなら恋人が出来たらきっと大切に、大事にするはず。

そうなれば、私は相手にとっても、漣さんにとっても邪魔になるから、ここを出て行かなければならない。

……ううん、たとえ漣さんに彼女が出来なくとも、いつまでもここにお世話になっては駄目だ。


「明日は仕事が休みなので、どこかに出かけませんか?」

「私とですか?でも、アルファなんかの私と一緒にいたら漣さんが変な目で見られますよ」


「俺は気にしません。それに九条さんを襲おうとするケモノがいたら俺が許しませんから」

「それなら出かけたいです」


「わかりました。明日楽しみにしてます」


漣さん、どうして私なんかを守ってくれるんだろう?人を助けるのにメリットとか関係無いって言ってたけど、これはいくらなんでも大切にされてる気がする。

このまま甘えてしまっても?なんて考えてる自分もたしかにいて。
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