オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
翌日。私は約束通り、漣さんと出かけることになった。緊張してあまり眠れなかった私は先に待ち合わせ場所に来ていた。

今日はいつにもまして身体が熱い。季節的には過ごしやすいはずなのに、な。

しかも何故か今日の用意されていた服はいわゆるロリータ服と呼ばれるもので。大きいリボンがたくさんついていて、しかもピンク色。

若い子ならピンクも喜ぶだろうけど、私の年齢的にこれは痛いのでは?というか、まわりから若作りしてるって思われないかな?

漣さんの家にはお手伝いさんがいて、漣さんが仕事で忙しい時はその人がお世話をしてくれるんだけど、服のチョイスは漣さんらしく。
きっと、これもなにかワケがあって選んだに違いない。

「なぁ、あれって……」
「だよなぁ〜」

「……?」

私のほうをチラチラ見てる男の人。私には聞こえない声量で話してるのがなんか嫌だな。

私の悪口とか?漣さん、早く来ないかな。

「ねぇキミ。もしかして1人?」
「暇ならオレらとお茶でもどう?」

「連れがいるので結構です」

「そんなことを言わずにさぁ〜」

嘘だと思われてる?

この人たち、私がアルファだってわからないの?
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