オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
二章
「ん……あれ、もう朝?」

いつの間に眠ってしまったんだろう?寝た記憶がないのだけど、もしかして気絶するように寝た?寝る直前のことを思い出す。


「九条さん、起きましたか?おはようございます」

「漣さん。お、おはようございます」

……思い出した。昨晩は漣さんと愛し合ったんだ。
恥ずかしさがこみ上げてくる私。けど、漣さんはいつも通り。


「初めては好きな人に捧げるって決めていたので。
九条さんを抱けて幸せでした」

「こ、こちらこそ抱いていただき、ありがとうございます」

敬語でひとまずお礼を言った。

やっぱり、初めてだったんだ……。
そのわりには上手かったけど、な。いつもは苦しさと痛みで早くこの行為から解放されたいと思っていたのに、昨日は違った。


漣さんにもっと抱かれていたいって、欲張りなことばかり考えていた。漣さんの年齢を考えると、1回が限界だと思っていたら、私の想像以上に漣さんの性欲は強かった。何度も何度も愛を注がれて、私も満足した。


久しぶりだ。この行為をして満足だと思える日が来るなんて。番ってすごい。信じていなかったけど、あんなことがあった今では信じてしまう。もう、漣さん無しじゃ私は満足出来ないかもしれない。
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