オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「九条さんが溜まっていたら、いつでも相手しますので」

「っ……」

耳元で囁かれる。朝から刺激的すぎ……。


抱かれてる間は普段とは違う男らしさがあった、な。スーツ越しじゃわからないほど着やせするタイプで、脱ぐと筋肉がそれなりについてて。


「お、お願いします」

私ばかりが満足していいのだろうか。今度は私から誘ってみようかな。初めてをしたばかりなのに、がっつきすぎかな?


「昨日はぐっすり眠っていたようなので、俺が朝食を作ってみました。よかったら一緒に食べませんか?」

「漣さんの手料理ですか?ぜひ一緒にたべたいです」

私たちはリビングに向かい、漣さんの作った朝ご飯を食べた。


「すっごく美味しいです!」

「それはよかった」


朝から爽やかスマイル。仕事も出来て、料理もできて、イケメンとか……これが所謂スパダリってやつ?私の番がこんなにハイスペックなんて、漣さんと私が本当に釣り合うのかな?


「朝から冷たい飲み物を一気飲みすると、お腹を壊したり消化不良を起こす可能性があるので、温かい飲み物を用意しました。紅茶にハチミツを入れてみました。砂糖とは違った味がしますよ。たまには違うのもいいと思いませんか?」

そういって私にハチミツ入りの紅茶が入ったマグカップを手渡す。


「ん。ホントだ……ハチミツ入りも美味しいですね」

「気に入ってくれたようで良かった。俺は砂糖入りよりもこっちのほうが好きなんです」


「そうなんですか?」

「九条さんにも俺の好きなものを知ってほしくて」

「っ……!」

照れくさそうにしてる仕草がなんだか可愛く感じた。

私も漣さんのこと、もっと知りたい。漣さんの好きなもの、私も好きになりたい。


「あ、れ……?」

でも、なんだろう。急に眠気が襲ってきた。ご飯を食べたから眠くなったのかな?それにしたって、食べてる途中でこんなに眠くなることってある?
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