オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「漣剛士ねぇ~。なんか聞き覚えのある名前かも」

「え!?もしかして未来の元カレとか?」


「は!?なわけないじゃん〜。ウチなんて、そんな人と釣り合わないって。でも、どっかで聞いたことあるなぁ」

「未来が名前知ってるってことは有名だったりするのかな……」


アパレル業界と病院って全然関係ないから交流はないと思うんだけど。


「それよりも夜に眠くなるって、病気とか?」

「未来もそう思う?やっぱり一度病院に行った方がいいかな」


「それならさ、その彼が働いてる病院とかどう!?たまたま鉢合わせて、白衣姿見れたりするかもよ?」

「それは見たいかも」 

「でしょ!?」


そういえば、漣さんの仕事先には行ったことないかも。っていっても、気軽に遊びに行ける場所じゃないし。それに夜に必ず睡魔が襲ってくるし、一度行ってみるのもありかもしれない。


「今日は話聞いてくれてありがとう。私、そろそろ帰らなきゃ。漣さんに連絡しないで来ちゃったし」

「彼も過保護だねぇ〜。途中まで送っていこうか?」


「大丈夫。私一人で帰れるし。未来は仕事の休息にもう少しここでゆっくりしてて」

私が立ち上がり、店を出ようとしたところ。目の前には、さっきまで話題に出ていた漣さんがいた。
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