オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「九条さん……?」

「さ、漣さん!?」

「心配しましたよ。こんなところにいたんですね」


「あれが美怜の……彼?やっぱどっかで見たことあるけど、ここからじゃ遠くて見えない」


「家を出る時は連絡してくださいって言いましたよね?」

「ご、ごめんなさい。家からは近いですし、友達と話すだけだったので、数時間で帰る予定で……」


「無事で安心しましたが、今度からはちゃんと連絡してくださいね。ほら、帰りますよ」

「……はい」


私は手を引かれて漣さんと店を後にした。

未来にもちゃんと漣さんを紹介したかったけど、それはまた今度でいいか。


「たしか……美怜は、漣剛士って人のとこに住んでるとか言ってたよね?ネットで調べたら名前くらい出てくるんじゃ……って、うそでしょ!?
今すぐ美怜に電話しなきゃ!早く助け出さないと手遅れになる!!」


「今日は勝手に出かけた罰として、美怜が夕食を作ること」

「そんなことで許してくれるんですか?」


「今度からは無許可で外に出たらお仕置きするから」

「っ……!」

それも少しだけ興味あるかも。なんて言ったら変態だと思われるだろうか。
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