オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「アルファが最底辺だということを世界に広めるには仕方のないこと。そうしなければ貴方にはこうして出会えていない。けれど、世界が変わっても俺の夢は叶えられなかった」
「どうして?」
「それは貴方の友人が結末にたどり着いてるはずですよ。俺はアルファ研究所を乗っ取ったって。ネットで名前を検索すれば出てくるはずです。大罪人だって。人を殺していないから逮捕はされていませんがね」
「っ……」
だから未来はここから逃げてって言ったんだ。
さっきから漣さんから逃げようと試みてるけど、漣さんは一切隙がない。こうして話してる間にも、私が家から出ないように出口側に立っている。
もう、最終手段は死ぬしかない。自ら命を絶つしか、ここを脱出する方法はないから。
私は近くにあったハサミに手をかけ、首を掻っ切ろうとした。が、しかし。
「俺が気付かないと思ったか?」
「……!?」
ハサミを無理やり取り上げられて、私はその場に押し倒された。ハサミは先端のほうが漣さん側に向いていたのに、躊躇することなく、漣さんはハサミを持った。血がポタポタと地面に落ちる。痛くないのだろうか。
……漣さんは本気なんだ。私をここから逃がさないようにするためなら、どんなことだってする。
「どうして?」
「それは貴方の友人が結末にたどり着いてるはずですよ。俺はアルファ研究所を乗っ取ったって。ネットで名前を検索すれば出てくるはずです。大罪人だって。人を殺していないから逮捕はされていませんがね」
「っ……」
だから未来はここから逃げてって言ったんだ。
さっきから漣さんから逃げようと試みてるけど、漣さんは一切隙がない。こうして話してる間にも、私が家から出ないように出口側に立っている。
もう、最終手段は死ぬしかない。自ら命を絶つしか、ここを脱出する方法はないから。
私は近くにあったハサミに手をかけ、首を掻っ切ろうとした。が、しかし。
「俺が気付かないと思ったか?」
「……!?」
ハサミを無理やり取り上げられて、私はその場に押し倒された。ハサミは先端のほうが漣さん側に向いていたのに、躊躇することなく、漣さんはハサミを持った。血がポタポタと地面に落ちる。痛くないのだろうか。
……漣さんは本気なんだ。私をここから逃がさないようにするためなら、どんなことだってする。