オメガがエリートになり、アルファが地に堕ちた世界
「日持ちする物もたくさん買っておきましたので。お金もほんの少しですが、どうぞ。これで明日からも頑張れますように!」
「美怜〜!何してんの〜?早くしないとクリパ始まっちゃうよー!!」
「未来、置いてかないでー!お礼はいりませんから。私は美怜っていいます。九条美怜。今はまだ学生なんですけど、将来は市役所に勤めたくて。人の役にたちたいんです。名前はわからないですけど、貴方も生きることを諦めちゃダメですよ!今日は暖かくて幸せなクリスマスにしましょ!メリークリスマスです」
「メリー……クリスマス」
九条という女性はそのまま友人と姿を消した。大人びて見えたけど、まだ学生だったのか。
人の役に立ちたいから市役所に勤める?きっと九条はアルファなんだろうな。オメガである俺には出てこない選択肢だから。
俺は袋に入ったお茶を一気飲みした。身体の奥からじわじわとあたたまる。
生きることを諦めるな。明日からも頑張れるように、か。変わった人だったな。でも、貶されるより励まされるほうがずっといい。お金までもらってしまった。このお礼は必ずしよう。
俺は覚悟を決め、一歩を踏み出した。
「美怜〜!何してんの〜?早くしないとクリパ始まっちゃうよー!!」
「未来、置いてかないでー!お礼はいりませんから。私は美怜っていいます。九条美怜。今はまだ学生なんですけど、将来は市役所に勤めたくて。人の役にたちたいんです。名前はわからないですけど、貴方も生きることを諦めちゃダメですよ!今日は暖かくて幸せなクリスマスにしましょ!メリークリスマスです」
「メリー……クリスマス」
九条という女性はそのまま友人と姿を消した。大人びて見えたけど、まだ学生だったのか。
人の役に立ちたいから市役所に勤める?きっと九条はアルファなんだろうな。オメガである俺には出てこない選択肢だから。
俺は袋に入ったお茶を一気飲みした。身体の奥からじわじわとあたたまる。
生きることを諦めるな。明日からも頑張れるように、か。変わった人だったな。でも、貶されるより励まされるほうがずっといい。お金までもらってしまった。このお礼は必ずしよう。
俺は覚悟を決め、一歩を踏み出した。